ゲームプランナーとは

  • ゲームクリエイター
  • 2023/01/01

目次

ゲームプランナーとは?
ゲームプランナーを行うには?

ゲームプランナーとは?
 

ゲームプランナーとは、プロデューサーやディレクターの指示のもと、ゲーム制作に必要なルールを決め、エンジニアやデザイナーが制作するために具体的な仕様書の作成、プロジェクトの進行管理などを行ないます。ゲームプランナーの仕事は多岐に渡りますが大きく分けると、企画立案、仕様書の作成、プロジェクトの進行管理、運用/分析になります。

下記に主だったゲームプランナーの業務内容を記載致します。

・企画立案

まず企画立案ですが、一般的なプランナーでは一からゲームの企画立ち上げのような機会はあまりありません。ゲーム自体の企画は、プランナーとして多くの経験を積んでいるプロデューサーやディレクターで行なうことが多いです。ただし、アプリゲーム、ソーシャルゲームなどではイベント企画やアイテム作成、新規機能の実装などアイディア出しの機会は数多く存在します。またプロデューサー、ディレクターのもと企画書の作成のサポートで触れる機会はあるかもしれません。

・仕様書の作成

仕様とは、ゲームのコンセプトやシステム、レイアウトやキャラクターの設定などゲームに必要とする要素のことでこれらをまとめた資料を仕様書といいます。この仕様書が分かりやすくかつ詳細に書かれているかで、この後の作業に大きく影響を与えます。なぜならデザイナーやエンジニアはこの仕様書を基に作業を進めていくことになるからです。

仕様書の共有のみでは担当者との認識の齟齬が起きてしまう可能性がありますので、仕様書が完成した時点で実装担当の各担当者と仕様を確認する打ち合わせを行うことで仕様の漏れや認識の微妙な齟齬、疑問点のすり合わせも行えますので今後の進行がスムーズになります。

デザイナーやエンジニアの作業中にもし仕様の漏れなどがございましたら仕様書に追記を行い、現在作業を行ってくださっている各担当者にも情報共有を行います。

情報共有や仕様書の追記が漏れてしまうと機能実装時に仕様との微妙な齟齬が発生する可能性がございますので注意が必要です。

・プロジェクトの進行管理

仕様書を作成して仕様の共有を行ってからは、他セクションであるデザイナー、エンジニアたちと一緒に制作を進行していきます。まずは、スケジュール作成、作業のタスク化などを行います。また配属されるデザイナーやエンジニアは各部署の上長の方で振り分けを行ってくださいますので、各担当者と実装まで進行します。必要に応じ、指示を出したり、修正、調整が必要な場合は再度方向性をまとめたり、打ち合せなど行ない進捗管理を行なっていくなど、スケジュールに沿って制作が進められるように舵取りを行なうことになります。また進行して行くなかでトラブルが発生した場合は、プロデューサーやディレクターに相談して指示を仰ぐ必要があります。特にスケジュールの遅延などが発生の可能性が担当者から上がってきた場合は、何に問題があるのか期限までにどこまで実装できるかなど内容を詰めて解決策もしくは妥協案を持ってディレクターに迅速かつ正確に共有を行い判断を仰ぐ必要があります。

上記のようなトラブルもなくデザイナー、エンジニアの方で作業が完了して実装確認が可能になりましたら、まずはプランナーの方で仕様にあっているのか、実装漏れがないか、エラーが発生しないかを確認します。もし、問題点があれば修正のご依頼を行います。またその際にプランナーが想定していた初期の仕様では問題はないかユーザーにとって使いづらいなど不利益が発覚した場合、実装してくださった担当のエンジニア、デザイナーに相談して改善を行います。

もし、修正も改善の必要がなかった場合、デバッカーへのご依頼となります。

デバッカーは仕様書に沿って実装確認を行いますので、仕様書に記載漏れが無いようにする必要があります。

デバッカーより疑問点やエラーが報告された際には、エラー内容によって担当者に相談を行い対応いたします。時には想定していなかった部分まで影響があり、それがゲーム全体に影響を与える場合は対応の可否をプロデューサーやディレクターに相談して指示を仰ぎます。

・運用/分析

ゲームのリリース後にもアプリゲームやソーシャルゲームの場合には、運用業務を行わなくてはいけません。主に新規イベントの企画、新規キャラや武器などの作成、新規機能の実装、既存システムの改修などになります。

新規キャラや武器などの集金に関わるポイントでは課金がどのくらい行われたのか、前の実装に比べてどうだったのか、最終的にいくら集金できたのかを確認、次回の更新時にはどう実装すれば売り上げが伸びるのか分析します。

また、イベントなどは開催後にユーザーのご意見を確認して、どのような部分が好評だったのか、どの部分が不評だったのかを分析して次回のイベント時に改善を行えるようにまとめます。このまとめた資料につきましはプロデューサーやディレクターに共有だけでなくほかのプランナーにも共有し、今後のイベント設計の参考にできるようにします。また、既存のシステムでもユーザーの不満点などがあればどのような機能にどうして不満があるのか分析して改修の提案を行いプロデューサーやディレクターが必要と判断した場合、改善情報をまとめた仕様書を作成、エンジニアやデザイナーに必要に応じて相談を行い実装を目指します。

ゲームプランナーを行うには?

これまで記載させていただいた通りプランナーの仕事は多岐に渡ります。
また各企業によって使用しているツールが異なることが多く触れたことがないツールでも、最低限業務に支障がないように使用できるようになっていく必要があります。

プランナーには特別な資格などは必要ありませんが、求められる能力としましては下記が挙げられます。

・企画力

オンラインゲームやゲームアプリといった基本無料で遊ぶことのできるものにつきましては、継続してプレイしてもらい課金してもらうことで初めて収益が得られます。そのため、ユーザーを飽きさせないイベント、新機能を実装などのユーザーにとって面白いを分析して生み出すことを求められます。

・コミュニケーション能力

プランナーは、同じプランナー間だけでなく、プロデューサーやディレクター、プログラマー、デザイナーといったあらゆるメンバーとの関わりが必要になります。そのため仕事を円滑に進めるためにも必須と言っても過言ではありません。
どんなに魅力的な企画を考えてもプロデューサーやディレクターにうまく伝わらなければ見送られてしまう可能性もございます。
またプログラマー、デザイナーに仕様を共有する際に伝え方によって認識の齟齬を生んでしまい間違った実装やイラストの制作が進行してしまうこともあります。

・スケジュール管理能力

ゲーム制作においては、スケジュールは厳守する必要があります。そのため最初に担当となっているイベントなどのシステムの実装やデザイン制作がスケジュール内で完成することが可能か各担当者に確認していただく必要がございます。制作の最中に何かしらの不具合、トラブル、スケジュールの認識のズレにより、想定通りに進行できないことは往々にしてあります。そのため最初に決めたスケジュールを遅れるようなら各担当者に連絡をお願いしたり、一定期間で進捗を確認させてもらったりすることが必要になります。またスケジュール内に間に合わないことが判明した時点で各担当者には急いでもらうことをお願いしつつ、プロデューサーやディレクターに何が起きて進捗が遅れているのか、どのくらい遅れそうなのかを報告して判断を仰ぎます。もちろんプロデューサーやディレクターの判断をもらった時点で各担当者に共有することも忘れてはいけません。

・Office製品ソフトへの理解度

Word、Excel、PowerPointなどは仕様書や企画書を制作するのに必須となりますので使いこなせることに損はありません。

上記は一例と挙げさせていただきましたがデザインやプログラミングの知識があることによって、仕様書の制作や各担当者への説明の際に円滑に進めることができますので、基礎だけでも理解しておくことで業務を円滑に進めることができます。

・求められる経験

すべてのプラットフォームで経験を積むことはなかなか難しいですが、スマホゲーム、コンシューマゲームの両方を経験することができればどちらの案件にも対応が可能になるので経験しておくと様々な案件に関わることができ、案件が途切れるということが少なくなります。また、業務経験でいうと、下記内容が一通り実績を持つことが重要になります。

・企画立案
・仕様書作成
・レベルデザイン
・マスタデータの作成
・スケジュール管理
・制作ディレクション

上記を一通り経験し、精度高く、迅速にこなすことで即戦力人材として重宝されます。
またデバッカーとして経験を積んでからプランナーへ転向する方もいます。デバッカーとして仕事を行っていくと自然と開発の知識が身についてきます。仕様書と実際のゲームを比べて、意図しない挙動を行っている部分が無いか確認するので、どんな仕組みで動いているのかなどが理解できるためです。以上のことからプランナーの業務と重なる部分があるので経験を積むことで道が開かれる可能性があることを心に留めておいてください。

最後の記載となりますがプランナーとして最も大事なことは、ゲームが好きであることです。プランナー業務は多岐に渡るのでどうしても作業量が多くなってしまいます。そのためゲームが好きで作って見たいという熱意なければ長く続けることはできません。まずは自分の作りたいと考えるゲームのジャンルに焦点を絞り、必要なスキルを磨いてゲーム業界から求められるゲームプランナーを目指してみてください。

※令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成しております。