ゲームクリエイターのリモートワーク事情

  • ゲームクリエイター
  • 2022/07/07

目次

|リモートワークとは
|リモートで働くノウハウ
|リモートワークのメリット
|リモートワークの持つ課題
|テレワークの実態

|リモートワークとは

《リモートワーク》とは、《テレワーク》とも呼ばれる働き方で、決まったオフィスに出社せず、ホテルや自宅、その他任意の場所で仕事をするスタイルの総称です。広く《在宅勤務》や《自宅勤務》、《モバイルワーク》《ノマドワーカー》などを内包した言葉で、情報通信技術を活用した上で、場所や時間の制約を受けずに働けることが特徴です。

これらの呼び名はそれぞれ違う意味を持っていますが、共通して《会社に出勤せずに遠隔から仕事をする》という意味を持ちますので、出勤しない勤務形態を指す場合には、厳密に区別しなくても問題は無いでしょう。今回はこのような働き方を一律で《リモートワーク》と呼称します。

情報通信技術の向上でリモートワークを採用する企業は増えてきていましたが、近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく注目されることになりました。出社をして決められた勤務時間で業務をこなす一般的な働き方とリモートワークの大きな違いは、通勤を必要としない部分にあると言えるでしょう。私生活などの事情によりフルタイムで働くことが出来ない人も、リモートワークならば働くことが出来るようになったり、あるいは、会社から離れた場所に住む人でも容易に働くことができるようになるのが特徴です。

《リモートワーク》が持つ言葉のニュアンスは、《在宅ワーク》という言葉が持つフリーランス、個人での請負仕事というイメージよりも、あくまで《出社を必要としない》という働き方です。オフィスには直接出勤しないが、ネットワークを通じて会社で行うような業務を行う場合が多く、社内のコミュニケーションは必要不可欠です。対面でコミュニケーションを行えない状況で、どのように効率良く業務をこなすかも考えなくてはなりません。働き方の多様性を考える上で、リモートワークの安定した継続方法を、メリット・デメリットなどを含めて考えてみましょう。

|リモートで働くノウハウ

オフィスに出社せずに働く上で必ず必要になるのが、パソコン、スマートフォンと、インターネットに接続できる環境です。個人の私物であるパソコンやネット回線を利用して会社に接続する場合もありますが、会社から貸し出しされた端末や、Wi-fiを利用する場合もあります。社内の情報をオフィス外に持ち出すことになるため、セキュリティ対策の問題と、社内コンプライアンスの遵守についてはしっかりと理解しておくべきでしょう。

その上で従業員同士の連絡を行うためには、オンライン会議用ツールや、ビジネスチャット用ツールを利用します。《Zoom》《Cocripo》《Webex》などが良く知られていますが、会社の規模や、やり取りの方法に応じて使い勝手も変わってきますので、自社のカラーに沿ったツールを選ぶと良いでしょう。また、ファイル送信・共有サービスなども必要です。場合によっては、各社員のスケジュールやタスク状況を共有することで支え合ったり、問題点を可視化したりする工夫も必要になってきます。

リモートワークという、公私の境目が曖昧な働き方において、社員同士やプロジェクトチーム内の交流を円滑にすることはとても重要です。

オフィスに出社しての勤務と違い、自宅などのプライベート空間で行う仕事にはメリハリがつきにくい傾向があります。自己管理が徹底している方ならば問題無いかも知れませんが、多くの場合は集中力や緊張感を維持するためになんらかの工夫が必要になってくるかと思います。そこで近年注目されているのが、《サテライトオフィス》や《コワーキングスペース》の活用です。《サテライトオフィス》は、企業が主な仕事場とは別に設置する小規模オフィスのことです。

通勤負担の軽減や、リモートワークの効率アップなどが目的とされていますので、用意されているオフィスがある場合は積極的に利用すると良いでしょう。《コワーキングスペース》とは、スペースや設備をレンタル利用できる場所のことで、基本的にオープンスペースであるため、利用者同士の交流も可能になっています。リモートワークに必要な環境の整ったコワーキングスペースは増加傾向にありますので、カフェなどの公共施設と併用して活用していきたい場所です。

また、モチベーション維持のために《Lunch & Learn》として、ランチタイムをオンライン会議用ツールで共有し、食事をしながらカジュアルな雰囲気で交流するなどの方法も考えられます。独りになりがちなリモートワークで、同僚と意見交換などをしながらリフレッシュできる時間になるでしょう。効率良く時間を使い、モチベーションの維持・回復が期待できます。

|リモートワークのメリット

新型コロナウィルス感染拡大の中での《リモートワーク》は、通勤移動による感染リスクを避ける意味合いで注目されました。では、平時でのリモートワークにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

通勤にかかる時間や交通費の節約は、リモートワークの最もわかりやすいメリットとして挙げられます。首都圏では通勤に1時間以上を費やすことも多く、時間の有効活用という観点からリモートワークが注目されています。通勤の問題は時間だけでなく、遠方でオフィスまで出勤できない距離に住んでいる人の雇用も見込めますので、居住地の制限が減ります。また、家に居ながら仕事をこなせることで、育児や介護といった事情を抱えていても勤務することが可能です。自由な時間が増えることで生産性が上がり、ストレスの軽減も期待できます。

企業に属していながら在宅で勤務する雇用型のテレワークの場合、仕事の安定性が見込めることも特徴です。従来の出社勤務に捕われない柔軟さはありつつ、フリーランスのデメリットを補う働き方ができるでしょう。

|リモートワークの持つ課題

リモートワークは柔軟な働き方で、時間や人材の有効活用が期待できますが、当然デメリットもあります。出勤を必要とする従来の働き方に対して、リモートワークはまだ歴史が浅く、課題が残されているからです。雇用する側、される側、双方に問題点を理解して、利点を上手く生かしていくことが望ましいでしょう。

リモートワークのデメリットのひとつに、コミュニケーションが希薄になるという部分があります。対面での会話と違い、文字チャットは相手の確認と返信を待つタイムラグが発生します。また、文字の情報は表情などの情報が入らない分、丁寧に意見や希望を伝えることが大切になってきますので、対面時とはまた違った気づかいの必要があるでしょう。こういったやり取りをついわずらわしく思い、確認や報告を無しに仕事を進めてしまった結果、チーム内で求められている作業と自分の認識にズレが出る結果に繋がります。業務の重複や、文章のみでのギクシャクとしたコミュニケーションにストレスを抱えてしまう可能性もあります。いずれもビデオチャットやコワーキングスペースなどを活用して対処していきたい部分です。

仕事とプライベートの境目が曖昧なことで、どのように自己管理をしてモチベーションを維持するかも大きな課題です。通勤時間が無くなったから…と、時間の使い方が甘くなった結果、作業時間が間延びして生産性が落ちてしまうという結果は避けたいものです。自分とチームのタスクの総量を把握することで、集中するためのオン、オフを切り替えていけることが望ましいと思います。スケジュール管理ツールなどを活用していきましょう。

そしてネットワークやツール、端末についてのセキュリティと、業務内で扱った情報の取り扱いなどは、信用問題に発展する可能性のある大きな課題です。社外秘の情報を漏洩させたりしないように、各セキュリティ対策については、会社と話し合ってしっかりと理解しておきましょう。

|テレワークの実態

拡大するリモートワークについて、東京都が緊急調査の結果をまとめています。新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、リモートワークを採用する企業・実施する社員は2020年に大幅に増加しました。緊急事態宣言に伴った結果ではありますが、実施企業数、実施日数ともに上昇しています。

事務職やシステムエンジニアなど、デスクワーク中心の業種だけではなく、現場作業や対人サービス中心の業種でも導入率が増加していますので、リモートワークは業種を問わず、これからも《新しい働き方》として広がりをみせていくでしょう。

参照:テレワーク「導入率」緊急調査結果
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/05/12/documents/10.pdf
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/03/19/29.html

※令和2年度第3次補正事業再構築補助金により作成しております。